システム開発の見積り ②必要な要件と見積り単位
2021.07.08
◆見積るための “要件”はどこまで定めればよいのか
システム開発の見積りについて、”システム開発の見積り ①見積り方法と項目”にて方法や項目についてお話させて頂きました。
今回は、見積りをするにあたり必要な要件と工数についてお話していきたいと思います。
システム開発の見積り ①見積り方法と項目でもお伝えしているとおり、具体的に要件が定まっていて、正確なデータが多い程、精度の高い見積りを行うことができます。
大まかな必要情報として、システムの“規模感”というものがあります。どのくらいの規模感のシステムなのか、と言われても大体などの想定はしにくく回答に窮すると思います。
管理したい業務(例:顧客管理、売上管理、在庫管理、勤怠管理等)、それに対し必要な画面数や機能数を想定することで規模感をはかることができます。例えば、営業管理ができるシステムを開発したいとしましょう。営業管理とは、営業担当者の行動予定のみ管理できれば良いのか、行動予定、顧客データの管理、見積・発注・納品までの書類作成・出力等、営業担当者のすべての業務を網羅することが理想なのか等によって、開発する範囲の大きさが想像できると思います。また、PCのみで利用することを前提にしたシステムか、スマートフォンやタブレット端末での利用を想定しているのなどでも、規模の大きさが変わってきます。
システムの範囲が定まっていないと、規模をはかることは難しくなります。そのように考えると、要件を明確にする程より、正確な見積りができるという根拠がわかりやすいかもしれません。
◆「工数」がキーワード
システム開発の見積りは、「工数」で算出されることが一般的です。システム開発で多く使われる「工数」という用語ですが、昨今では幅広い分野でこの言葉が利用されています。
工数とは、簡単に言うと「作業時間」に近い概念と言えます。IT業界の場合、最も大きくかかるコストは人件費です。そのため、システムの開発作業にかかる作業時間から、費用を算出します。
よく利用されるのは、「人月」「人日」という単位です。
・1人月 : 1人が1ヶ月間で完了する作業量
・1人日 : 1人が1日(就業時間)で完了する作業量
上記の単位を参考に考えると、6名が1日作業、もしくは1名が6日作業することで完了する案件であれば6人日の作業量となります。1名が3ヶ月、もしくは3名が1ヶ月作業することで完了する案件であれば3人月という考え方です。
システム開発を進める上では、トラブルや課題が発生することを想定しておくことが重要ですので、システム規模やそれに応じた難易度を考慮して見積りを行う必要があります。
工数を基準に見積りを行うことを念頭において、最低限想定できる範囲の要件をまとめておくと良いでしょう。
◆システム開発・再構築をご検討の際は、ご相談ください!
見積りに必要な要件と見積りの単位についてお話しました。次回は、スムーズに見積りを得るために事前に準備しておくことなどについて掘り下げたいと思います。
弊社は、オーダーメイドの基幹システム開発を主軸に、創業以来30年以上、多くのシステム関連サービスを提供しております。オーダーメイドのシステム開発や再構築を主軸に事業を展開し、システム開発と合わせてインフラ管理・提案も行っています。
システムのご提案・見積りを行う際は、要望を具現化するために必要なシステム機能を一覧にし、ひとつひとつの機能毎に費用を算出しています。
システム開発やシステム保守にお困りの企業様はぜひ一度、お問合せ下さい。
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