システム開発の工程と期間 ~工程~
2021.08.05
◆システム開発工程を知る
新たなシステムを開発しようと考えた時、多くの企業は専門のシステム開発会社に外注することを検討します。“そんなに難しいシステムではないから簡単なはず”“できればすぐにでもシステムを活用したい”などの事情や要望も様々ですが、システム開発において、実際にどんな工程を踏んで、どのくらいの期間がかかるものなのでしょうか。
システム開発は、決めた工程に則って行うことを前提としています。日常生活で例えると、旅行をするとき、行き先を決め、その場所に必要な持ち物や交通手段を手配し、スケジュールを組むなど、踏んでおくべき手順が存在します。そのように工程に沿っていければ、現地でスムーズに楽しい旅行が実現するでしょう。
話を戻して、システムの開発工程には大きく分けて2パターン存在します。やり方という方が正しいかもしれませんが、ウォーターフォール開発とアジャイル開発です。
ウォーターフォール開発は、順番に工程を進めていき、工程毎に完了を設けることで、前工程に戻ることなく進めていくやり方です。現時点でどの工程に着手しているかが明確になり、作業がスムーズに行うことができます。多くのシステムは、このウォーターフォール開発によって進められることが多く、一般的な方法と言えそうです。一方のアジャイル開発は、短いスパンで繰り返し開発・検収を行う方法です。急な仕様の変更や修正・改修への対応をスピーディに行うことができます。但し、その分ゴールやスケジュールが読めないという難点もあります。
◆開発工程について
ウォーターフォール開発に視点を当てて、開発工程についてみてみましょう。
①要件定義
要件定義とは、どんなシステムを開発したいのか、実現するためにどの開発手法で構築するか、導入や運用方法、予算、期間など、システム開発に必要な要件を決めていく工程です。要件定義の工程で決めた内容に準じて、以後の工程を進めていくため、クライアント側と開発会社の認識を合わせて齟齬なく進めていくことがポイントとなります。各工程の中でもシステムの軸となる部分を決めるため、上流工程と言われ、とても重要な工程です。
②概要設計・詳細設計
概要設計は、要件定義の工程で決めた内容を基に、主にシステムの利用者が「見える部分」を決定する工程です。例えば、画面のデザインやシステムから出力される帳票などを指します。概要設計が定まれば、概要設計書を元に詳細設計を行います。詳細設計は、作り手に向けた工程です。具体的にシステムの機能を実装するために詳細設計書に落とし込み、プログラミング工程に進むための設計書を確定していきます。
③開発
文字通り、開発を行う工程です。プログラムを組んでシステムを製造していく工程となります。
④テスト
開発したプログラムが仕様通りに動作するかを確認する工程で、テストには、単体テスト、結合テスト、総合テストがあります。単体テストは、ひとつひとつのプログラムごとにテストを行い、不具合が発見されればそこを修正していきます。結合テストは、プログラム同士が結合しても動作ができるか確認していくテスト内容です。総合テストは、システム全体のテストで、すべての動作、連携、速度に問題はないか、多角的に確認していきます。
⑤受入テスト
受入テストもいわゆるテストといわれる工程ですが、クライアントが主体となって、開発会社と合同で行うテスト工程となります。クライアントが実際の業務を想定しながらテストを実施することで、操作感や業務遂行の流れを体験をもって確認していくことができます。
⑥システム移行(納品・リリース)
テスト工程が完了すると、システムをクライアントが利用できるような環境に移行します。旧システムがある場合、クライアントが旧システムから新システムで業務を行うためのデータ移行を行うことになります。想定通りに動作するよう、リスクや懸念を考慮しながら慎重に、かつ、スムーズに移行していきます。
⑦保守・運用
リリースしたシステムを問題なく稼働し続けるには保守・運用業務が必要です。特にリリース直後は、どうしてもトラブルや不具合が起こりやすいので、システムが安定稼働するまでは連携の取れた保守対応は必要不可欠です。保守の必要性については、以前コラムで記載していますので、こちらからご覧ください。
以上のようにシステム開発工程を工程毎に説明しましたが、工程を分けることで得られる最大のメリットは、効率と品質の高いシステムを作ること、と言われています。
開発工程を段階毎に区切り、細かくゴール(完了)を設けることで、複雑化しやすいシステム開発が簡潔になるため、システム開発の効率化・品質の向上につながるといえます。
◆基幹システム開発・導入支援
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